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2025/10/15 10:00

ラダックツーリング 世界最高所の峠道

皆さま、こんにちは
平塚旭店の須藤です
ようやく涼しくなり秋めいてきましたね

私は8月の夏休みに涼しいを通り越え、寒いラダックでバイクツーリングをしてきました
あまり馴染みのないであろう「ラダック」を今回ご紹介させて頂きます

かつては「ラダック王国」と言う独立国でしたが、現在は「ラダック連邦直轄領」として、インドに属し、西はパキスタン、東は中国チベット自治区と国境を接し、国境ラインは今も係争中であり軍事上、重要な地域で地理的にはヒマラヤ山脈の西端になり標高は3,500m越え、冬は陸路では訪れることはできない、伝統のチベット文化が色濃く残る地域になります



飛行機でラダックの中心地レーに向かいます
まずは羽田からデリーへ



羽田から9時間くらいでデリーに到着
レーへのフライトは翌朝なので、この日はデリーで宿泊
配車アプリでタクシー見つけて中心地へ向かいます




やっぱりカオスです



レーへのフライトはAM5時なのでAM3時頃に寝たのか寝てないのか
よくわからないままデリーの空港に戻ってきました
この時の記憶はあまりないのですが、何故かこのフルーツのオブジェの写真を撮ってました




デリーから約1時間半でレーに到着
着陸体制に入る前に、「軍の基地もあるので、絶対に空港の写真を撮らないでください!」と何度も機内アナウンスがありました
ちなみに3ヶ月前にインドとパキスタンの交戦でレー空港はしばらく閉鎖されていました
飛行機から降りると、1ミリも笑顔見せない武装した兵士たちが出迎えてくれ、ターミナルへ移動するバスは、運転席のフロントガラス以外は黒幕で目張りされ、外が一切見えません、このバスが向かっているのは本当に民間人向けのターミナルなのか?、バス車内の空気がピリッとします

やっとこさ空港から外に出ると、そこは富士山頂より少し低い標高3,500m
空気薄っ! そして寒っ!
先程とは違うピリッとした空気です




まずは予約してたホテルにタクシーで向かいます
運転手さんにもホテルのスタッフさんにも言われましたが、下界から飛行機で一気に標高3,500mまで来ているので、一般的には2、3日は部屋でゆっくりして身体を慣らさないと、高山病で観光どころではなく、症状がひどくなると肺水腫、脳血栓等の重症になり亡くなることもありますと



メインバザールにやって来ました
どうですか、タルチョ(チベット文化の五色旗)が旗めくこの景色!
これが見れただけでも来た甲斐があります
タルチョが風になびくと、読経したことと同じ功徳があるという、チベット仏教の信仰のひとつだそうです



ラダックというかインドには野犬がたくさんいます
日中はおとなしいのですが、夕方くらいから活発的に動き出します
動物好きでも、狂犬病リスクが高いので近づかない方がいいですね



ラダックでのスマホ事情ですが、インドの他の地域(例えばデリー)で購入したSIMカードは使えなく、日本の通信会社の海外ローミングやレンタルwifiも全く使えないので、現地でSIMカードを購入しなければなりません
購入するにはパスポートとインド入国時に使用したeVISAの紙が必要です
お店には開店と同時に入りましたが、手続き完了するのに1時間半くらいかかり
かなり大変ですので、時間には余裕を持って行った方がいいです




観光地によくあるモニュメント
こういうのは写真撮っておきたい派です




スマホが使えるようになり、次はILPの申請とレンタルバイクを探しに向かいます
ILPとは国境付近を通過するのに必要なInner Line Permit(入域許可証)のことです

レンタルバイク店は驚くほど沢山有りまして、その中でもILPの申請も行ってくれるこちらのお店にお願いしました
事前情報では単独旅行者にはテロ対策としてILPは許可されないのでは?、とのことでビクビクしてましたが、2025年8月現在はOKでした
尚、申請は午前11時まで行えば当日の午後6時くらいに発行されます



お借りするバイクのメンテナンスとILPが準備できたら、連絡くれるとの事で昼食に向かいます




やはりチベット料理が食べてみたくて、モモ(餃子に近い)を注文
そしてソルティー味のラッシー
モモはマトンの肉がしっかり入っていて、食べやすくハマりそう



バイクとILPの準備がてきたと連絡あったので、引き取りに
今回、お借りしたバイクは現存する最古のオートバイメーカー
ロイヤルエンフィールド社のオフロードバイク、その名も「ヒマラヤ」
空冷エンジンの「411」と水冷エンジンの「450」があるのですが「411」をチョイス

ハンドルにはタルチョ、後ろには荷物を乗せるのでキャリアを付けてもらいました
これから1週間、一緒に旅する相棒です




海外のレンタカーやレンタルバイクは日本と違って燃料は満タン返しではない事が多く
借りる時、大抵カラッカラです
13L容量のタンクに12.49L入りました
ガソリンはリッター160円くらいなので、日本とあまり変わりません




バイクのチェックしがてらレー王宮に来てみました
完全に異世界ですな



奥に見える山々は6,000m級だと思われます



こちらがレー王宮



入館料を支払い中に入ってみます
少し階段登るだけで、心拍数が140〜150になります



レーに到着してから2日目の朝、本格的なツーリング開始です
まずは世界一高い峠、標高5,349mのカルドゥンラを目指し
最初のポリスチェックでILPとパスポートの確認です
私の前にいた3人のライダーは何かが足りなかったのか、通行許可が降りず
引き返していました



この絶景!



そしてまた絶景
言い方悪いのですが、いちいち絶景すぎるので、バイクが全然前に進んで行きません



2つ目のポリスチェックポイントに到着すると怪しい雲が…




ここでレインウェアを着用
この後、みぞれ混じりの雷雨になり、雷は頭上ではなく目線の高さなので
生きた心地がしないと言うか、むしろ生きてる感全開です




TOP OF THE WORLD! 車両で通行できる世界一高い峠
標高5,349m カルドゥンラに到着
エンジンが息つきを起こしてパワーが落ちるかと思いましたが、流石ロイヤルエンフィールド!全く問題なく登りきりました
私は以前、キリマンジャロ(標高5,895m)に高度順応しながらポレポレ登った経験があるのですが、今回は標高差2,000mを短時間で登ってきているので頭がクラクラします



氷河が見えます
当然ながら寒いです



峠の休憩所で雨宿りしていると、峠の係員らしき方がライダー達に「15分以内に峠を降りないと酸欠で倒れるぞ」と説明して回ってます





麓で会った、デリーから自走で来てるインド人ライダーが到着したので
「天気悪いけど、世界一高い峠に着きましたね!」て言ったら、まさかの「去年くらいにココより高い峠が開通しているんですよ」と衝撃の事実が…
極東からはるばる世界一を目指してきたのに、このタイミングで知りたくなかった…
後で調べると、教えてもらった通り、ラダックの中国寄りの方にカルドゥンラより高い峠が開通してました




標高をグングン下げ、空気が濃くなってくると、先程までの荒涼としていた景色が一変、緑が増え、おそらく氷河で削られたU字谷がまた素晴らしい



ヌブラ渓谷のフンダル村に着きました
宿泊施設を探そうと、案内板を見つけると物凄い数の施設が
しかし人っこひとり見当たりません
後で聞きましたが、パキスタンとの交戦の影響で今年は観光客がめっきり少ないとの事



どこも雰囲気が良さそうでしたが、本日はこちらにお世話になる事にしました





こちらはフライドモモ
パンチの効いたニンニクが入っていて、これまた美味しい



部屋のバルコニー
フンダル村には当初一泊の予定でしたが、村やホテルの雰囲気、空気や時間の流れが居心地良すぎて二泊しました



ラダックはアプリコットの名産地です



パキスタンとの暫定国境手前のトゥルトゥク村から、世界第二の高峰「K2」が見えるらしいので向かってみます



私がトゥルトゥク村へ向かっているこの時、パキスタン北西部やカシミールが大雨の影響で、洪水が起こり甚大な被害が起きていました
このシャヨク川の普段の水位はわからないのですが、ずいぶん水位高いなとは思っていました




目の前にハッキリと雨雲の境が見えたので、レインウェアを着用としていたら前方から来たインド軍の車両が止まり兵士が降りてきて、この先は川が増水して危ないから引き返した方がいい、との事
どのみち、この天気ではK2を見る事はできなさそうですので、素直に受け入れ、引き返します



こんなダート道を延々と走ります
砂利よりもフカフカの砂地がハンドル捕られて結構怖いです





ディスキット村に来ると天気が回復してきました



あれがディスキットゴンパ(僧院)
行ってみましょう



ゴンパ側から見たヌブラ渓谷



こちらはマニ車
時計回りに回すと、読経したことと同じ功徳があるそうです







高さ32mある弥勒菩薩像



ディスキットの街道沿いにある食堂で、オムレツとオレンジジュースを頼んでみました
注文して、しばらくすると店員さんが道を挟んだ向かいの商店に行き、オレンジを3つ
買って戻ってきました
こういうの好きです



隣に生命反応を感じると思ったら
ロバでした、びっくり



ヌブラ渓谷を発つ朝
これまた凄い風景



再び、カルドゥンラを目指します







カルドゥンラに戻ってきました
今回は天気が良いので、ライダーがたくさん集まり「世界一高い峠」のモニュメントの前で記念写真を撮るのに賑わっています
みんな知っているかい? ここはもう世界一ではないんだぜ〜



これは「かつて」世界一高い峠のトイレ
折角なので爪痕を残そうと扉を開けると、目を背けたくなる惨状で、酸素濃度が地上の10分の1以下、バーティカルリミットなデスゾーンにより即時撤退しました



そして「かつて」世界一高い峠の休憩所でチャイタイム
ラダックで休憩していると、地元の方によく話しかけられます
「何故、1人で旅してるんだ? 家族はいないのか? 友達はいないのか?」的な
次に多いのは「日本はもう7Gか?」「日本のタクシーは空飛んでいるのか?」のような日本の先進技術に興味のある話題
そしてここで、チャイを頂いていると、30代後半と思われる男性が私の隣に座り、真顔でこう聞いてきました
「ドラえもんは実話ですか?」と。



気持ちの良い快走路



だんだん「ストレージがいっぱいです」のアラートとの戦いになってきます



こちらはマグネティックヒルという、ビュースポット
周りの風景から目の錯覚で、上り坂に見えるのが実は下り坂になっています



この茶色く濁った川はインダス文明のインダス川です
チベットを水源としラダック、パキスタンを通りアラビア海に流れるロマンの川ですね



少し上から見ると、サンガムポイントと言って、左から流れてくるインダス川と前方から流れてくるザンスカール川の合流地点、川の色が全然違いますね



標高5,320mの峠、チャンラを目指して走っていると、何だか凄い建物が目に入ったので停まってみました



おそらく有名なゴンパなのでしょうか、ノーマークでした
要塞みたいですね



この辺りは、標高4,500mくらいですが、まだまだ登って行きます
この後、断崖絶壁区間で目の前に、コンビニにあるコピー機くらいの岩が落ちてきました



標高5,320mの峠、チャンラに着きました
あの雪の壁、迫力満点です



これから天空の湖、「パンゴンツォ」に向かいます
峠を降りると私の前に、インド軍の物資を輸送するトラックが50〜60台の隊列を組んで走っていて、大渋滞になっておりました
パンゴンツォは中国との国境になるため、付近にインド軍が多数駐留しています


峠を下り、草原の中にヒマラヤンマーモット
ミーアキャットみたいなコミカルな動きをしてます



標高4,200mのパンゴンツォに到着
湖の東側3分の2は中国の領土です




ラダックを旅していると、道路上に川が多数現れます
今回のツーリングで30〜40回は川渡りしたかと



怖いのは川底が見えなく水深がわからない、ガレていたり、水流が激しい川
ここは舗装路の上なので、川越えしやすそうですが水流が激しい
水流でバイクが倒れ、身体がバイクの下敷きになり、身体が抜けなく溺死する、という可能性もあるので、万が一の際に助けてくれそうな車が来るのを待つ作戦




湖畔にあるコテージ村に到着
今宵の宿を探しに行きます



こちらのコテージに決定
ラダックでは電気が使えない場所が多いのですが、このパンゴンツォ付近は19〜22時の間だけ電気が使えます
部屋にシャワーはあるのですが、お湯は出ません
標高4,200m、雪解け水のひゃっこいシャワーを浴びると、恥ずかしながら大声をあげてしまいました



さっぱり?したので、湖畔を散歩しコチラを発見
ピンときた方、いらっしゃいますよね?
数年前、飛行機の中で偶然観たインド映画の撮影地がこのパンゴンツォ
それがきっかけで私、ラダックに興味持ちました



食べている途中の写真で誠に申し訳ないのですが、ラダックで食べたチャパティの中で1番美味しかったのは、このパンゴンツォのチャパティ
右の炊飯器のような物の中に、まだ10枚くらい入ってます




日没直前に晴れてきました
明日が実質のツーリング最終日、事故なく最後まで走り切れるのか
きっと うまくいく




間違いなく平塚は猛暑日だったこの日、部屋にはすきま風がビュービュー入り込み
気温は2〜3度まで下がり、日本から持ってきた使い捨てカイロを全て使い、毛布に包まって、何とか朝を迎えました
血中酸素濃度を測ると91%、ギリギリ生きてます



外に出ると、この景色




湖畔にバイクで降りてみました
湖の水を少し舐めてみると、ほんのりしょっぱい






ターコイズブルーな湖面
さてレーに帰りますか




途中で見かけたヤク
標高4,000m以上にしか生息していないそうです




レーに戻ってきました
1週間で約1,000kmを事故、転倒、怪我もなく無事走破
ラダック最後の晩餐はトゥクパ(うどんに近い)とアプリコットジュース
単体ではそれぞれ美味しいのですが、組み合わせ間違えました





今回の旅最後の風になびくタルチョ、この風がチベットから吹いて来ているかと思うと、熱いものが込み上げてきます
ジュレー!
「ジュレー」はラダック語でこんにちは、ありがとう、さようなら




レーの空港ですったもんだはありましたが、デリーに無事到着
飛行機から降りると暑い、熱すぎる

日本に帰ってから、しばらくラダックロスでした
やり残した事がたくさんあるので、また来ようかと思います


ラダックでしばし電気の無い生活を経験し、電気のありがたみを再確認しました



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