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23/04/21 17:00

#遠いと近いの境界線で・・・

こんにちは。
三ツ境店のSORAです。
読み物シリーズ第2回です。

#遠いと近いの境界線で・・・



 水平線に浮かぶ雲が影を落とした時、私は少し身の周りの空気に肌寒さを感じた。
 寂しい景色だと思うか美しい景色だと思うか、意見が分かれると言った人がいたが、私はそのどちらでもなく、雨が降ったら綺麗な景色だと思った。
 崖の上に立っていると、足元の心もとなさに意識を奪われがちだが、私にはそれも少し心を軽くする材料になった。
 あの人は結局どっちの景色だと感じたのだろうか?
 私と異なる景色を瞳に映していたことは確かだが、それを知ろうとしたところで、私とは発想が異なるその感性を把握することはできようがない。



 気持ちの問題であれば、このくらい極端な違いを見ていたのかとも思うが、さすがにあの人もこんな景色を美しいとは思わないのではないだろうか。
 暗澹とした空は涙でも流しているようで、それならば表現としては理解できた。



 例えば、夕陽と聞いて想像するのは、西日か夕焼けか、人によって当たり前が異なるだろう。それと考え方は同じだ。そう思っているのが私だけでなければだが。
 とはいえ、当然こうだろう、当然ああだろう。その当然に疑問を抱くのはこの上なく時間を無駄にすることにも思える。
 物思いに耽るのは私の悪い癖だ。結論が出ないことばかり、どうにも考え込む。この景色をどう見ているかなんて、誰からしても取り留めないことなのだから。



 夢を見たら景色は角度を変えるのだろうか?
 歪んだ水平線の向こう側は一体どこから向こう側と定義されるのか?
 水はその性質を変えて他の何かに化けるのか?



 目が覚めたら、景色は向きを変えるのか?
 水平線に落ちる雲は影を伴って流れていくのか?
 日差しは色彩を変えるのか?



 こんな景色なら私は素直に美しいと表現するのだが。
 何を見て、何を感じるか、何に意識を惹かれるのか。
 印象の解釈ほど人それぞれなものはない。
 それを知りたくなる私は、少し自分を生きづらくしているのかと思った。
 損な性格は承知している。はずなんだが。



「また悪い癖が顔を出したわね。そろそろ帰りましょうよ。貴方に分かるようなことなんて、そんなに多くないんだから」
 振り返ると、セレナのスライドドアに凭れた彼女の声が私を呼んだ。
 そうだ。美しいと表現していたな。
 あの人は、今はもう君になっている。


さてさて、読み物がたり。
通勤の電車の中ででも読んでみてくださいませ。
よろしくお願いします。


 
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