三ツ境店のSORAです。
読み物シリーズ第７回です。
＃例えばを口ずさんで・・・
イルミネーションは少し舞台染みた錯覚を演出することがある。
私がここで感じたことも、またその例外ではない。こういう場所に車を持ってくると、見慣れた自分の車が普段は隠している顔を見せる気がする。
それが楽しみで、私はついハンドルを握ってしまう。
そして、その行動に拍車をかけるのが、この頃の携帯電話のカメラの使い勝手の良さだ。
昔は愛車のために一眼レフを持って出かけたものだが、それもほぼ必要ない。
気軽に車と自分の思い出をファインダーに刻むことができる。
子供の頃は、家にあった黒いピアノにミニカーを並べてモーターショー遊びなどしたものだ。
鏡面塗装の黒いピアノは、さながらモーターショーのステージのように、ミニカーをいろいろな角度から映り込ませていた。
幼心に「こんな車に乗りたい」と思ったのは、ずっと時間の経った今でもはっきり覚えている。
かっこいい車。綺麗な車。
そして今、私の隣にはスカイラインがいる。
あの頃、手が届かなかった車のハンドルを握ることが、こんなにも世界が広がることだったなんて、もう少し若い頃の自分に教えてあげたいくらいだ。
「その時にする決断は、その先をもっと豊かにするよ」
それを伝えたら、その時の私はなんと言うだろうか？
スカイラインはイルミネーションを横目に走り出した。
さてさて、読み物がたり。
通勤、昼寝前、ほっと一息。片手に短い読み物を。
ほっと一息お茶したら、三ツ境店まで車を買いにいらしてくださいませ。
